「現実型」と「幻想型」―00年代後半から10年代前半へとかけて、アニメ表現の二つの特徴

覚書きなので、ざっと書く

00年代の「アニメと現実を重ね合わせる」という方向性はもう飽きられてきている。
アニメキャラを嫁と言い、、
実写に近づけたような演出が増え、
劇的な何かではなく、「脱力」と「日常」が描かれる。
それを社会学だなんだと、現実にむりやりにこじつける。
聖地だなんだと背景の元ネタを探す。
そんなものは聖地じゃない、ただの背景参考だっていうのに。

もう、そういうのに飽きてきたんじゃないかな。


輪るピングドラムの盛り上がりについて - まっつねのアニメとか作画とか http://d.hatena.ne.jp/mattune/20110709/1310187345

実はひそかに7/2にまっつねさんとネットラジオやってて、そのときにまっつねさんがした話が、上記でも書かれているような「現実型」のアニメと「幻想型」のアニメの対比だった。確かにゼロ年代後半において、実写に近づけた表現が多く、現実に近い「何か」が描かれてきた感はあった。代表としては「けいおん」で、前期は「あの花」「いろは」で、今期は「神メモ」がそれに近いのかなー、と。そしてそれに反する表現として、幻想的でまるで夢を見るような感じの、不思議な作品があった。代表としては「AB」「まどマギ」「スタドラ」で、前期は「DOG DAYS」「戦国乙女」で、今期は「ピングドラム」という感じか。


どっちがどう優れてて劣ってるという問題は、恐らく結論が出ないしそもそも無意味なので置いておくとしても、恐らくは相性やその時々の流行や慣れ等で「現実型」と「幻想型」の間をあっちこっちへと移り変わっていくものなのだろう。それは受け手に限らず作り手も。そして「飽くまで優劣の問題ではなく、流行の問題」と念を押して言うが、今期は明らかに「幻想型」の作品の方が先行していっている。現に「ピングドラム」が流行してて「神メモ」がイマイチだと言われる原因のひとつがこれだろう。(あ、でも私は神メモがイマイチって言われてるなんて認めないんだからねっ!!)


ちなみに私から言えば、現実型に振りすぎれば「実写でやれ」と言ってしまうし、幻想型に振りすぎれば「訳が分からないよ」と言ってしまうだろう。そう言う意味ではまっつねさんが言ったとおり、私は中間にいるんだろうなぁ、とお茶を濁したような結論で締めるのでした。