銀河機攻隊マジェスティックプリンスを12話まで見ました

全体の感想としては「どうしようこれ」としか言いようがないです。正確に言えばどう表現するのが適切なのか分からないという感じですね。一見するとホントに久しぶりの直球ド真ん中のストレートなロボットアニメには見える……んだけど、何か色んな部分が引っかかるんですよね。


書いてるうちに項目が増え過ぎたので、久々に目次つけてみますね。

1.「ザンネンだっていいじゃない」でユルく構えてたら顔面ストレートパンチを食らった
2.記号性と設定の関係について少し
3.イズルとヒロイズム
4.息抜き回としての第12話の魅力
5.考えがまとまらなった部分のメモ

1.「ザンネンだっていいじゃない」でユルく構えてたら顔面ストレートパンチを食らった

その代表的な要素のひとつとして、マジェプリには「ザンネン5」っていう設定がある。最初の方は何だこの取ってつけたような設定とか思ってたけど、見ていくうちにこの設定がいかに必要なのか分かった。だってこれ「ザンネン5」の設定が無かったら話が重すぎる。

正直な話、ここまで徹底した人間兵器設定を出してくるとかびっくりする。だって「MJP計画」って純粋な「遺伝子操作の段階から戦闘に特化した戦士を育成する」プログラムですよね!? これに似たような設定を持ってる作品に『蒼穹のファフナー』があるけど、育ての親記憶が無い分ファフナーよりタチ悪いと感じるんですが! が!

まぁでもマジェプリ以上に設定がえげつないロボットアニメ作品は結構存在してそうではありますけどね、私が知らないだけで。だがしかし公式のキャッチコピーの「ザンネンだっていいじゃない」でユルく構えてたら顔面ストレートパンチを食らったみたいな衝撃はありましたよ、ええ。

でも「MJP計画」に重点を置いてしまうと「ザンネンだっていいじゃない」がどっか行っちゃうんだけど、その辺「ザンネン5」当人が「MJP計画」に関してあまり深刻に捉えておらずホントに上手いこと舵をとってる。しかも深刻に捉えないほど「ジュリアシステム」の適応度が高いというおまけ付き。

2.記号性と設定の関係について少し

しかしそういう「MJP計画」や「ザンネン5」の設定を混みにしても、この作品はとても自覚的に記号的なキャラクターに仕上げていると感じる……というか絶対にそうだろとしか言いようがない! つまり言葉遊びとしての記号的なキャラクターという意味ではなく、本来の意味で「人間として何かが欠落してる」設定に折り込んであるのかな? と推測してみたり。

しかし私なんぞが記号的やら記号性やらの記号論を中途半端に語ると、下記のエントリみたいにその知識がある人に怒られるという前科があるので、これ以上こっち方面で話を進めるのは危険なので記号に話を持っていくのは止めるね! 止めるね!

Re:アニメに「現実主義」は不要である - TinyRain
http://d.hatena.ne.jp/str017/20111023/p1

でもキャラクターの記号性を語るのにはちょうど良いと思うんですけどねー、そう思いませんか批評クラスタのみなさん?(止めろ

3.イズルとヒロイズム

「人間として何かが欠落してる」という意味ではザンネン5の中では、特にイズルが一番ズレてると感じる。詳しくいえば人間元来持ち合わせていそうな感情が何個か欠落してるみたいな感じでズレてる。ざっとあげると

  • 死の恐怖が薄い
  • ヒーロー願望が強い割にはその願望の元になった動機づけが薄い
  • ヒロイズム自体がある種の自己犠牲であるのにも関わらずイズル自体の守りたい感情が何処か漠然としている

とイズルのズレている感情を挙げればキリが無いのですがどうなんですかねコレ? ただこれは最後まで見ないと答えは出ないだろうなとは思ってたりするので、イズルに関しては中途半端ながらこれぐらいで。

4.息抜き回としての第12話の魅力

そういえばふと寝ぼけててボーッとしてたとき「そういえば最近フタコイオルタの1話みたいな感じのギャグ回やってたなー、タイトル何だっけ?」ってと思い出してたら実はそれマジェプリだったみたいな事がありまして、そんときは一瞬で目が覚めました。

しかしこんな事言うのもアレですが、狭い住宅街や河川敷を車で爆走するシークエンスとか結構古風な手法だと感じたけど、その反面こういう息抜き回って良いよね! って改めて思いましたよ。本当に第12話だけ雰囲気が全然違ってて、他の回にもザンネン的に息抜きするような演出はあるにはあるんですが、別物のレベルまでの違いがあるのは今のところ第12話だけかと。

5.考えがまとまらなった部分のメモ

あと、実は他にも『ヨルムンガンド』にも関係ありそうな擬似家族としての視点とか、今のところマジェプリが何の作品に一番近いのかと問われた実は『ヒロイックエイジ』だったとか書きたいことは色々あるのですが、この辺は私の頭の中でまとまる気配が全くないという事態に。