大河はツンデレか否か?

しゅーくん(id:TLW)のエントリ「俺は大河がツンデレって言われた瞬間キレる。 (初期編) - まぁ、変なものは変だけどね。」を見て、私なりのツンデレ観と「大河はツンデレであるか否か」を考えてみた。
 
その答えは非常に簡単で、ざっくりすぎるけど「広義的なツンデレではあるが、狭義的なツンデレとしては当てはまらない」というのが答え。しかし、いくらなんでもこれでは乱暴すぎるので、以下順を追って説明してみようと思う。

前提として広義的なツンデレと狭義的なツンデレをザックリと定義する。

まず、手始めにこの辺りはWikipediaから引用してみる。

「初め(物語開始段階)はツンツンしている(=敵対的)が、何かのきっかけでデレデレ状態に変化する(変化の速度は場合による)」
 
ツンデレ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AC

あえて、この後に書かれている「あるいは〜」の部分を端折った理由は歴史の項にある

ほどなくして恋愛シミュレーションのみならず他のジャンル作品においても、時間経過によりツンからデレ状態に変わる人物をツンデレと称し始めた。この時間経過説が現在でも用いられている狭義説である。

を踏まえての事。つまり最初はツンツン後にデレデレという状態を、狭義的なツンデレとする。
 
では、対する広義的なツンデレとは何か? ぶっちゃけ言ってしまえば、どの様な状態であろうともツンとデレさえ存在していればツンデレであり、これに当てはまってしまえば冗談抜きで何でもかんでもツンデレでございますよコンチキショー! 何故なら、正直ツンデレには厳密な定義が存在しないので、ツンとデレさえあれば幾らでもツンデレと言い張る事が可能だからである。*1

この定義で大河を分析するとどうなるのか?

まず、大河をザックリ観測すると、竜児に対し最初敵対的な態度を取ったことから「ツン」で、後に和解し共闘する事に至ったことから「デレ」と見ることが出来る。だがこれは飽くまで表面的な部分ではあるんだけど。
 
細かい部分としては、まず私の考えよりも影響元であるしゅーくんのエントリを引用する方が的確だろう。

ツンデレというのは自分の心に素直になれないことだと認識しているが、大河は自分の心、すなわち、竜児に依存していて、必要だと思っているということに対して無自覚だ。
 
素直にするような感情を大河は持っていない。
 
それどころか、大河の依存しながらに拒絶するという行動が表しているのは、一人で生きてきたために、拒絶することしか知らず、依存していることにも気づかないという大河の無知さであり、悲しさである。
  
俺は大河がツンデレって言われた瞬間キレる。 (初期編) - まぁ、変なものは変だけどね。
http://d.hatena.ne.jp/TLW/20090702/1246537018

大河を表面上から見ればツンとデレに分離いるように見える。しかし大河本人の中ではツンもデレも同じものである、というかその概念すら存在しているのかすらも怪しい。*2
 
ここで前項の定義に当てはめていくと、まず狭義的なツンデレとして見た場合ツンツンからデレデレの流れ以前に、当人の心中からしてツンとデレの概念がなく、また第三者的に観測した場合でも竜児がチャーハンを与えた事でデレた(ように見える)為、まったくもってツンデレではない。
 
では広義的なツンデレとして見た場合は、心の動き、経緯、流れ等一切関係無く、第三者から観測してツンとデレさえ存在すれば問答無用でツンデレと認定することができる。なぜならば繰り返し言うがツンデレには厳密な定義が存在しないので、ツンとデレがあればツンデレだと言い張ることが可能だからである。

では何故「逢坂大河」がツンデレとして観測されるのか?

まず、そのキャラクターを観測するにおいて「キャラ属性」を分析する必要がある為、そのキャラクターをそれぞれの「キャラ属性」ごとに区分することによって、細かい分析を行っていく。
 
つまり「逢坂大河」の特徴を分析したいとき、考えたいときにどの属性に振り分けるか? という選択肢に置いて、ざっと見た感じでツンデレという選択が取られる……という一連の流れが「大河はツンデレ」という言っている人達のなかで行われているのだと思う。
 
そもそもの「キャラ属性」自体が、キャラクターを分類する際に「キャラ属性」を示す言葉を使うことによって、一定の属性を保有しているキャラクターを「まとめる」為のものであって、言葉としての意味はそれ以上もそれ以下でも無い。飽くまで分析する為、あるいは分類する為の手始めの手段でしか無い……と私は思うのだが。
 
以上により「大河はツンデレか否か」と問われれば「広義的なツンデレではあるが、狭義的なツンデレとしては当てはまらない」と言える。確かに「広義的なツンデレ」という定義自体がかなり無価値ではあるにはあるとは思うのだけど、実際問題これを覆せるような事例が無いのは現実である。

*1:余談だが、実はツンデレに関してはWikipediaよりもアンサイクロペディアの方が細かく分類されていたりする。ツンデレ - アンサイクロペディア まあ、細かすぎてかえってややこしくなるので…… ちなみに逢坂大河アンサイクロペディアでのツンデレの定義よると「亭主関白・鬼嫁型 」に分類されている。

*2:ここでいう概念とは、大河の中で「精神内部にその心の動きが存在しているか否か」という意味で使っているのであしからず。