とある科学の超電磁砲 第7話

ひゃほぉぉぉ!! 私は待っていた、この回を! この台詞を! この勇士を! 上条さんマジ最高っす!!


上条さんの勇士に関してはid:tatsu2さんが詳しく解説されております!*1

とある科学の超電磁砲 これが僕らの上条さん - subculic
http://d.hatena.ne.jp/tatsu2/20091115/p1

そして上条さんは勿論のこと、グラビトンを成敗する美琴もしっかりとヒーローとしての描写されていたと思います。では当初予定してたお話への切り込み方とは違うんですが、今回の気になった部分を色々挙げていきたいと思います。なお、相当長いので気をつけてください(汗

禁書目録」を視聴したか否かによる「超電磁砲」への解釈の違い

結論から言えば、禁書目録を見てないとこの回は正直訳が分からないと思います。いきなり脇役である上条当麻なる男が出てきて、美琴が追い回してはいるものの話に絡まないので脇役かと思えば、今回のような主役である美琴のお株を奪うような大活躍。もうびっくらたまげたに違いない。


また「超電磁砲」は昨今の女子校系作品ブームに乗っ取り、徹底して「女性キャラが主役」で「男性キャラが敵役」という構造になっている。特にアニメでは日常描写とそれに加えて初春や佐天さんの出番が増加する事により、その構造を加速させている。そしてこの作品はスピンオフにも関わらず作品単体として機能しているので、場合によっては上記の理由で上条さんが排除される可能性もあったかもしれない。*2


しかしこのように上条さんはさっそうと登場し「超電磁砲」でもキッチリ暴れてくれました。ではそれは何故か? ……と言いましても「コミックスの展開通りじゃん!」って言われればそれまでなんですが、上条さんは「女性キャラが主役」で「男性キャラが敵役」という図式において、あえて『例外』として配置されたのでは無いか? と思ったりします。


と、いうのも今回のタイトルが『能力とちから』で「能力」と「ちから」がそれぞれ何を表しているかを考えてみると「能力」が普通の能力者であり「ちから」が上条さんだと考えることができます。そしてその上条さんの能力の例外性が提示されたシーンをid:tatsu2さんのブログから引用すると……

事件の起こったビルの外側では赤いコーンと赤信号。内ではKEEP OUTテープ。そして俯瞰した映像で爆発を止めた痕跡を。“止め”繋ぎによって外から徐々に様相の中へと切り込み、

それにしても、初春達が居た場所だけ無傷だなんて…能力をどう使ったらこうなりますの?

美琴に最も近しいジャッジメントである白井黒子の疑問符によって、「何が起こったんだろう?」という思考的な“止め”へと終着させる。物理的な止めから思考的な止めへ、視聴者と美琴だけが知っている上条当麻の異常性へと連なる“構造的ヒーロー演出”。美琴主観であっても、客観であっても、その異常性は何ら変わることはないとアピールする巧い見せ方でした。7話のコンテ・演出は八谷賢一さんですが、特にこのシーンの繋ぎ・情報は面白かったですね。


とある科学の超電磁砲 これが僕らの上条さん - subculic
http://d.hatena.ne.jp/tatsu2/20091115/p1

この異常な力、そして物語の配役としても「例外」的な扱い。まさしく上条当麻は「とある科学の超電磁砲」においてのジョーカーであり、同時に切り札的な人物と言えるでしょう。しかし、その切り札っぷりを発揮する回はアニメの方では収録されなさげの予感。/(^o^)\ナンテコッタイ

上条さんとグラビトンの対比関係

対比性を探るにおいて重要になるのが、上条さんの信条とグラビトンの犯行動機で、上条さんの信条は詳しくはいっこ下の項目で語るとして大雑把に言えば他者を救う事で、それに対しグラビトンの犯行動機はジャッジメントへの逆恨みという身勝手なモノで、もちろんこの動機は上条さんの信条に反するので、彼の身勝手な暴力という「幻想をぶち壊し」ました。


しかし「じゃあここでグラビトンを倒すのは上条さんじゃないの?」という疑問が出ますが、それは少々違います。上条さんは他人を守りはしても他人から何かを奪わず、その証拠に上条さんのちからである『幻想殺し(イマジンブレイカー) 』は、発動した能力を破壊できても、人を傷つける能力では無く、この上条さんのちからはある意味で盾と例えることができるでしょう。んで上条さんが物語の盾だとすると、力の象徴である剣に該当する御坂美琴、彼女が適任でしょう。まあ、主人公だからお株奪われっぱなしなのもアレなのですが(汗


もうひとつ、何故倒すのは美琴の役割なのかというと、メンズサイゾーにて分かり易い説明がされていたので引用いたしますと

 ところが『レールガン』は最新6話まで視聴した時点で、このスポ根路線ではない物語の紡ぎ方をあえて選んでいるように見える。ズバリ、『レールガン』は時代劇。しかも人情系。


 第1話では"ジャッジメント"という自治組織に加入している黒子の案内で街を散策中に事件が勃発する。自治組織のメンバーとして、その場を仕切ろうとする黒子にいったんは従う御坂だが、知り合った一般人・佐天が犯人に蹴り飛ばされたのを見て激昂。「ここからは私の個人的な喧嘩だから」と宣言して事件を圧倒的な能力で解決する。その戦闘シーンの台詞回しは以下の通り。


犯人(倒れている状態から顔だけ上げて)「思い出した! (中略)最強の電撃使い(エレクトロマスター)が!」
黒子「そう。あの方こそが学園都市230万人の頂点、7人のレベル5の3位。(中略)最強無敵の電撃姫ですの!」


 その後、逮捕された犯人に黒子が「しばらく自分を見つめ直して、もう一度出直してくださいな」と説教をすると、がっくりとうなだれた犯人が連行されていく。


とある科学の超電磁砲』は美少女時代劇!! - メンズサイゾー
http://www.menscyzo.com/2009/11/post_524.html

といった感じで『超電磁砲』は時代劇、しかも人情系なのです!! まあ上記の事に加え徹底して「女性キャラが主役」で「男性キャラが敵役」という構造を取ってるので、上条さんの「例外性」がさらに強調されたりするのですが(汗


あ、ちなみに他にもちゃんと『超電磁砲』が時代劇と同じような構造を取っている理由はあって、実は上条さんが男性キャラなのに主役、という特徴と対になる「女性キャラなのに敵役」という人物がいまして、それによってある大仕掛けが仕込まれているのですが……これは今後のお楽しみってことで!

ずばり、上条当麻とは?―「あの台詞」について

この辺りは、長々と説明するよりも「あの台詞」を引用した方が早い。

                       ヘ(^o^)ヘ 何言ってるんだ
                         |∧  
                     /  /
                 (^o^)/ みんな無事だったんだから
                /(  )    それで何も問題もねーじゃんか
       (^o^) 三  / / >
 \     (\\ 三
 (/o^)  < \ 三 
 ( /
 / く  誰が助けたかなんて
     どうでもいい事だろ

問題はここまで「上条さん」を体現した台詞が禁書目録で出てこないことで……(汗 や、この問題は置いといてこの上条さんは「禁書目録」1巻のラスト以降の上条さんとは微妙に違うはずなのに、格好良くみんなを助けてかっこよく去る、そして美琴に対して捨て台詞、正直まったくもって違和感が無い。上条さんはマジで「上条さん」という生き物なのだなー、と実感したり……ってここの文章って「禁書目録」見てないとまったくもって意味不明!?


ただ、たぶんこの台詞は「禁書目録」での上条さんはそんなこと言わない……というか思いつきもしないだろうし、同じように禁書作者もそんな台詞書けなかったと思います。何というかこの台詞は客観的に上条当麻という人物を捉えた際に出てきた台詞、といった感じが致します。いわば超電磁砲での、あの上条さん御坂美琴から客観的に観測した上条当麻であり、実際の上条さんはもっと汗臭く泥くさーい存在だと私は思ってます(汗 私の想像では「禁書目録」の上条さんがここで美琴から同じ台詞で問われれば「はぁー、んなもんどーだっていいだろー!?」ってブチ壊しの台詞が入りそうな予感が凄いするんですが気のせいでしょうか!! やっぱ「超電磁砲」の上条さんは、美琴フィルターが入ってるんだ!! 美琴フィルターは上条さんの台詞すら改編してしまう!!(何

*1:というか、少々アレな言い方をすれば完全に先を越されました(汗 まさかあのtatsu2さんが演出論を踏まえた上で、ここまで上条さんに関して言及してくるとは思ってなかったんだもん! なんと身勝手な吐露。

*2:むろんそんなことをすれば「禁書目録」というか上条さんファンは暴れに暴れますが……(汗