ラノベとアニメの時間経過の差異について

原作の「とある魔術の禁書目録」第一巻の当麻と神裂の会話シーンを読んでみたんだけど、違和感は全く感じなかった。でも、アニメーションという映像媒体に移った途端に違和感ありまくりのシーンへと変貌していた。これって、「ラノベの時はたいして長くもない会話シーンなんだけど、アニメの現実の時間軸に置き換えると物凄く長い会話シーンになってしまっている」ということなんじゃないのかな。ラノベの時は、読者それぞれの時間軸で読むことができるけど、アニメは視聴者が時間軸を決めることができないので、ラノベとアニメの間に差異が生じたんではないんだろうかなと思う。
 
アニメに向いてないライトノベル作品「とある魔術の禁書目録」 - 海ノ藻屑
http://d.hatena.ne.jp/tokigawa/20081123/p2

そういえば、過去にこんな事を書いたのを思い出した。

つまりは原作のラノベだと体感時間は読んでる本人の主観に置かれるが、アニメだと体感時間がそのまま放送時間に置き換えられるので、どうしても体感時間=放映時間になってしまう。長い時間を短くするのにはアニメは向いているが、短い時間を長くするには向いてないメディアなのかも。

つまりは、ラノベとアニメの体感時間の違いじゃないかと。これは台詞だけ挙げてもそうだと言える。
 
例えば、ラノベの場合は読者の読む速度=体感時間とならない為、映像と比べ台詞の多さが時間に影響しない。一方のアニメは台詞の多さが時間にダイレクトに影響してしまう。
 
つまりは、台詞の長さは文章として知覚し想像するのと、実際に声として知覚するのでは全く違うんだろう。確証は無いが、原因は恐らく「読む」と「見る」の脳内の情報処理の違いだろうと思う。例えるとエロゲのプレイ時間がボイス無しに比べボイス有りの方が倍以上になってしまう、とか。実際にラノベの台詞部分だけでも、普通に読むのと音読して読むのとでは全く時間が違う事が分かるだろう。
 
解決方法としては、台詞を削るか演出で何とかするかのどちらかだろう。理由としては前者はラノベ一冊分の台詞を一字一句覚えてる人なんて居ないと思われる事、後者は……これは元々アニメというメディアの十八番でしょう。だが前者は監督の方針でやらないらしい、とすると後者でやっていくしか無いんだがこれもうまくいってるかと問われたら、とても疑問に思う。