アニメぐだ語り【ガンダム00再放送編】

放送が終了したのは先週の土曜でしたが、色々あって書きそびれていたんで今更ですが書いてみようと思いました、というか書かないと自分の中の00の位置づけが定まらないような気がして。
 
・刹那に関して
これはたぶん偶然なのですが、刹那の声をあてられていた宮野真守氏が以前演じられていた役の中で、私のイメージ的に刹那に一番近いのがWOLF’S RAINのキバなのです。と、言ってもWOLF’S RAINは1話しか見てないんですが(笑 でも一見だけでもかなり似ている部分があり、無鉄砲な癖に脆い部分や自身に自信が持てなくても理想に燃える部分とかが、そういえばWOLF’S RAINの劇中でキバはこんな事を言ってました。「狼の誇りを忘れたのか?」と、何か誰かさんが似たようなこと言ってませんでしたっけ(笑
 
そうした面もあってかガンダム00の再放送を見ていく内に、私自身が刹那の性格を読み違えていた事が判明しました、というか「俺がガンダムだ」の意味を「ある種の絶対的な力の権化としての自信」の宣言と超が付くほどの誤読をしていた事を。実際は「俺はガンダム『にならなければならない』」という意味の方が強く、平和を求める為には刹那自信とガンダムの位置をどう計っていくのかという歩みの中での一言に過ぎなかった訳で、その証拠に最終回でガンダムと共に歩むみたいな事を言ってたので。
 
こんな感じで自分の進む道を彷徨いつつもガンダムという絶対的な力を壊す為ではなく守る為に使ったり*1世界平和をやり遂げる前にロックオンに撃たれるのもやむを得ないと覚悟した際*2等、上で言ったとおりかなり無鉄砲なヤツで、そりゃロックオンは刹那を放っておけないわ(笑 ただここから見るにロックオンがあのとき撃たなかったのはむしろ当然な訳で、ロックオンが言った「ガンダム馬鹿」とは正しく文字通りな訳で(笑
 
ですがですが、良い意味での「馬鹿」っていうのは実はある種の強さの証明でもありまして、凡人には持っていない強さを「馬鹿」は持っている訳です。たとえば凡人ならとある越えなければならない局面で躊躇するんですが、「馬鹿」はその事に関して終始初志貫徹しているので凡人が乗り越えられない局面を乗り越えてしまう事が出来る訳です。逆に言えばその「馬鹿」が良い意志で使われなかったら凶器の刃となる訳ですが。そんな強靱な「ガンダム馬鹿」を持ち合わせている刹那にロックオンはガンダムマイスターの切り札として刹那に願いを託し、そして散ってしまう訳です。え、じゃあ2期のロックオンは誰やねんって!? さぁ、私は何とも分かりませぬ……
 
水島精二監督作品に置けるある特徴
なんかですね、今まで確信に至る要素が無い為この事はずっと書かなかったんですが、ダイガードでもハガレンでも常々感じられた特徴があって、「年長者が年少者に向ける優しいまなざし」みたいなものが感じられるんですよ。スメラギさんは指揮官なのに年少者を律する立場どころか逆にゆるかったりするし、ロックオンはロックオンで刹那に面倒見が良かったりたまに悪い事したらちゃんと指摘してたり、絹江さんは何かと沙慈に対して心配したりするし、セルゲイとソーマの間なんて冗談抜きで親子みたいな感じだし。何というかこういう上下の世代の関係を書くのが非常に上手いというか、見てて安心できる要素だというか。逆に言えば若い人から見たらこの感じはちょっと嫌だと思う事もあるらしい。*3
 
ついでに補足すると、絹江さんが沙慈にある種の依存をしすぎる事で沙慈の成長が妨げられるという悪い意味での「年長者と年少者の関係」になってたのを絹江さんが死ぬ事によって修正されてたりします、だけどそんな意味で制作者に殺されたなんて絹江さんからすればたまったもんじゃないな(笑
  
・グラハムについて
最終回に置いて彼の立ち位置が若干変わったような印象はあるんですが、彼に関してはまだ色々と分からない事が山積みだったり。今までは「ガンダム」に対してのある種の抑止力的な意味合いを持つ立ち位置だったんですが、最終回での刹那とのやりとりでグラハムは徹底的にガンダムを憎むという視点に立ったんだけど、憎しみの為に力を私物化する態度に刹那は「貴様のエゴを俺が断ち切る」と返した訳ですよ。まあこの辺までは分かるんですが、その後の「良く言ったガンダム!」がよく分からない……そういえば彼は真面目な顔で恥ずかしい台詞を連発するが、彼自体はかなり真面目に言ってて、その言葉に嘘は一片も混じってないんだろうとは思うんです。が、この「良く言ったガンダム!」に込められている意味がまだ見えてこない……
 
そういえば「やはり私と君は、運命の赤い糸で結ばれていたようだ!」「この気持ち、まさしく愛だ!」とか言ってたけどこれも嘘では無いんだろう、たぶん(汗 しかしまあ、グラハムたんはある意味刹那たんよりも「ガンダム馬鹿」とは違う意味での「馬鹿」なのでその心境を読み取りづらい(笑
 
・セルゲイとソーマについて
ちょっと前に、この2人は「ガンダム」という力の呪縛に捕われてしまったのか? という事を書いたんだけど、勝利の美酒やハレルヤの挑発があったのにも関わらず、セルゲイさんの命を優先した面から見るとこの2人は「ガンダム」という力の呪縛から解放されたと考えても良いのかな?
 
・アレハンドロについて
何回見てもザクレロもどき*4の中からジムもどきが出てくるシーンで笑ってしまう。しかもラスボスなのにグラハムの前座ってのが哀愁を漂わせ、しかも登場人物の中で一番力*5に捕われてたりするし、なんか色んな意味でどうしようもない(笑 だがこの分かり易すぎる人のお陰で、刹那の言う「世界の歪み」の正体が「力」に捕われ悪意を持ってそれを行使する人間って事が分かったのは収穫か。
 
・今後に関して
そういえば1回目の最終回の感想のおまけでこんな事を書いたような

そもそも国家よりも強い「公」に向かえば
紛争根絶できるという考え方自体がよく分からん
恐らく最終的にダーカーで出てきた「組織」みたいな共同体になるし

これに関しては2期がまったくその通りになるみたいで、何というかやっぱ2期もちゃんと見ないと分からないなと思った訳でー、コードギアスも戦争に対しての投げかけを*6 *7やってたんで何というか楽しみです。
 
・おまけ
WOLF’S RAIN見たいなー、絶対岡村天斎監督の最高傑作だろうから、DTBファンとしても今現在の心境としてもとても見たいけど、見る手段が凄く限られてくるんだよなぁ……バンチャでも何故かWOLF’S RAINだけ1話200円だし(笑 あ、あとこれ書くのに2時間半かかった私も立派な馬鹿だと思う(笑

*1:12〜13話辺り

*2:19話

*3:ハガレンでもエドとアルが劇中で「子供」として扱われている事に不満を持つ人も居たり

*4:ちゃんとアルバトーレっていう名前があるんだけどね(笑

*5:直接的な力と権力的な力の両方とも

*6:こっちは微妙に自棄気味だったけど

*7:というか私ってばシュナイゼルの考え方思いっきり否定してるじゃん