ピングドラムの静謐さが好き

私はピングドラムの静謐さが好きだったりする。アバンの路線図、改札口を渡ってから地下鉄で移動するまでのシークエンス、そして雨の存在。雨について具体的に挙げれば1話のペンギンに追いかけられるシーンと5話のりんごちゃんが雨にうたれるシーンと冠葉が帽子を取り戻そうとするシーン、まぁ静かなのは前二つだけだけどね。


林檎、ペンギン、雨、池、この世界は必要以上に水で満たされている。それとは対照的な地下鉄、もしかしたら何か意味があるのかもしれない。だけど、そこには言葉は意味を成さず、また触れられないような感じがする。まるで水が手から零れ落ちていくように。


正直な話この作品に対しては、見ている間は一切の思念や言語を捨てて、ただその世界に浸っていたいという感じがする。見ているだけでも心地が良い。この心地よさが正直どの辺りまで続くのかは分からないけど、この静謐さが続く限り私はピングドラムを見続け、そして浸り続けるだろう。