俺の妹がこんなに可愛い訳がない 第1話

第1話でみた印象としては「そんなにひどくない」というのが一番強く残りました。というのも、この兄妹、前情報だともっとツンケンしてると聞いてたんですが、案外思ってたよりも「普通に仲の悪い兄妹」って感じがします。



で、具体的にいうと、主人公である中村悠一さんの印象が強く、そこからどう見るかが整えられてる気がする。まあ、妹の方が我々に近いんですが、でもあれは妹視点から見るような作品ではないでしょ? たとえば、えろげをやる動機も「何となく好きになった」だし、えろげタワーやら異質な要素よりも、普通の女性らしい面の方が強いわけで。ただ、この作品、妹の方が我々に近いにも関わらず、この作品は主人公視点だ、これが変だ。


だけど、その変さから、ある種強制的に「俯瞰して」見ることがこの作品には許されている。これはとても良いことだと思う。まあ主人公がパンピーの皮被ってるガチオタ(例えばアニメのスタッフだけ知ってて、現物を集めないオタとか)だったらその限りではないけど。また、妹が「グッズ集め」で、自身のオタ度を証明してるが、その「安さ」も見てる側に安心を覚えさせる。もっとガチオタならもっとそわそわした感じになるが、彼女は立派な「ライトオタク」であるといえる。


また、この作品における問題点は、他所で挙げられてた「未成年でえろげ〜」自体ではなく、この作品が「次にどういう一手を打ってくるか」によると思う。例えば、この後妹がえろげやってたのがバレたとして、その後に未成年がえろげやることを肯定してしまったら、それは結構不味いと思う。だから、今後望む展開は、そこを絶妙に避けて、他の変なオタをだしてキャッキャウフフを優先して欲しい。そしてエロゲ方面には触らないで欲しい、ということだろうか。



しかし意外だったのは、こいう「客観的に見れる感じ」を繰り出してきた、ってことかなぁ。ホントのこというと、あの妹はもうちょいムカツク感じで書かれると思ってたし、視点はもうちょい兄寄りになるかなと思ってたけど、彼にも若干排他的な嫌いがあってそうでもないし。なんか見ててスッキリしてると思うし、それに主観的描写が無いから「嫌なモノが入ってこない」ってのがでかい。


だから、本当のことをいうともうちょい「カチーン」とさせるような演出を繰り出してきて、視聴者を煽って、ある種の炎上マーケティング的に盛り上げるんだろうなと思ってたし、私も「じゃあ敢えて乗って、こっちも憎しみ丸出しでヤッテヤルデス」と思ったけど、思わぬ肩透かしを喰らったってのもある。



まあ、確かに他所で見られるように「18歳未満がえろげやる」辺りにイラっとするのは分かる*1、でもなー俺妹の主題は明らかに「えろげやオタ的なもの」ではなく、むしろ「仲の悪い兄妹が、いかに関係を修復するか」が主題だろうから、あまり見ててイライラはしない。しかしながら、作り手側はこの辺、もっと柔軟な対応をしても良かったのでは…とは思う。理由は、この作品って正直オタ要素が温いし、この妹の趣味にエロゲ以外の何が入っても、意味合い的には全く同じだから。

*1:実際に、私も放送前までは、その事に関して結構イライラしてたので