『Angel Beats!』最終話における、音無の強迫観念の解体と……それよりもこのカオスさは凄いよ!

Angel Beats!』最終話、第一印象で言うと「凄かった」の一言に尽きるでしょう。

Twitter / alto:
ABは紛れもないムントの後継者であった

http://twitter.com/unsphered/status/17106685634

いやもうホントすごい、言葉にならん、こんな理不尽でわけわかめな世界、脚本、ラストのアレ、もう言葉にならないっすよ!! んで、アニメシャワーにおいて今までAB→けいおんの流れはノンストップだったのに、何故か今回だけ「このあとけいおん!!をお送りします」って出るという謎がそれを加速させる。


我々は、この壮絶にカオスな作品が到来し、そしてカオスな終わり方で締めくったことを歓迎しなければならない! 私の中で音無はクソだと思っていたが、まさか最後に「奏と一緒に残りたい」などと、大多数にクソ認定されるほどの出来事が起こるとは予想だにしていなかった!



いや、最後の最後に「人間性の回帰」を行ったってのは分かるんですよ? 「でも、そんなのって、唐突すぎるじゃない……(ゆりっぺ風に)」結局の所、何故に音無が皆を成仏させようと思ったのか、11話の演説で端折られた為、訳が分からなくなった。が、その答えは恐らく10話回想で、「妹を救えなかったから、その分みんなを救おう」という「強迫観念」から来ているのだろう。


この「強迫観念」こそ、過去『Angel Beats!』における、3つのふしぎな構造で挙げた「メタな笑い≒開き直りの力」であり、この開き直りの力における音無の論理的無茶苦茶さが「プロットを破壊する程のキャラクターの行動≒勢いを生み出す構造」を生み出していたのだと思える。


しかしわざわざ最後に、その「強迫観念」=「開き直りの力+勢い」の解体を行ってしまう。なるほど、製作側はそんなに音無をデスノの月やスクイズの誠系統のごとく、ゴミ屑扱いしたいのですね! 分かります! ……というのは冗談で、結局の所、最後の最後で音無は、奏と一緒にこの世界のアダムとイブになろうとしたのですね……って、それはあかん、それはあかんよ音無君!!11


(私の当初の予想では)卒業式で用務員さん*1がでてきて「よくがんばった…」とか魔界塔士Sa・Ga的な展開になる……と思ったら、無自覚にしろ音無君が奏恋しさで「この世界の神」になろうとするなんて……でも、音無が救えなかったところは、過去に心臓移植で奏を救っていたことで、「強迫観念」=この世界に留まる理由=神になる権利を剥奪されるとは、なんというサーガ! なんというオチ! なんという!



この作品は歴史に残る偉大な作品でした*2。そう、キスダムやムント様や MUSASHIなどの強豪たちに並び立てる作品でしたよ!!!11ああマジ感動する、マジ感動する、マジ感動だよ、最高だよ、目から涙のような塩水のような膿のような何かが流れ出してきたよ!! 正直、この『Angel Beats!』を越える作品が、この後出てくるかどうか分からないぐらいに!



過去の『AngelBeats!』関連エントリ:
世界から、個人への問題へとシフトしていく物語 『Angel Beats!』12話より
http://d.hatena.ne.jp/str017/20100621/p1
Angel Beats!』における、3つのふしぎな構造
http://d.hatena.ne.jp/str017/20100616/p1
『AngelBeats!』5話までのメモ
http://d.hatena.ne.jp/str017/20100505/p1

*1:この世界の神=用務員さん説に乗っ取って

*2:ワースト的に