けいおん! 第12話(最終回) 「軽音!」

今回の構成と、原作話の繋げ方

今回の話は、オチとして持ってくる話として、そしてこの話単位でも、非常に良い構成をしてました。前回の澪と律の喧嘩を前置きとして、そこから原作での「風邪」を上手く繋げたという印象があります。原作での風邪はただの一発ネタでしか無かった、それだけに印象はより強くなった。そして憂が何故ギターが上手くなったか、という説明も原作よりも説得力があり、この辺は正直不安要素でしたが、難なく乗り越えて天元突破したようです。それにしても憂が唯を声マネする辺りが凄い(笑 「律さん、紬さん」という何気ないありえなさが、そのおかしさは益々増強されてました。
 
ライブシーンと唯が駆けるシーンは、他のブログさんで色々紹介されているので省略。ただ、歌う際に大胆に中割少なめに横振りをしてたのは、京アニらしくなくてちょっと驚いた。あと、何気にえろい暗喩があるシーンが多いが、これはひとまず後回し。

今回のキーポイントは、梓

さて、今回何気にキーポイントになったの梓です。というか誰に言う訳では無いんですが、ライブシーンやらに注目しすぎて、他を疎かにしすぎは良くない。……と話がそれた、前回の中核になっていたのが澪と律なので、今回は今まで積み上げてきた事がしっかりと生きてきたのだと思う。
 
というのも、今回はライブなので活発的な部分とゆるふわのちょうど中間地点、そこに唯と梓を持ってくる。否定的だった梓の視点が、夏合宿で唯を理解し、そしてその一生懸命な姿を見て、唯が居ないと嫌だと言い放つ。これはある意味で今まで損な役割をしてきた梓の特権でもあったりするのでしょう。
 
そして唯に抱きしめられる際、梓はちょっと笑ってました。アップの際ではハッキリと笑っていたのですが、アップになる前のシーンで、梓がこちら側から左に向くシーンの中で、ちょっと笑ってる中割りがあったような……ここは未確認なので分かりませんが、もし笑っていたとしたら、抱きしめられてついでた笑顔なのかと。

けいおんのテーマ、とは?

たぶんあれだ「彼女らの最終的な目標」がすっぽりと抜けてるんだ。「武道館」とか言ってたけど、たぶんあれ普通に嘘だと思うし。部活動の8割がティータイムな部活メンバーで武道館とかサクセスストーリーとして色々嫌すぎる。「精力的なバンド」って図ももちろん私の勘違いだろう。
 
前の「『けいおん!』はやっぱり、まだ甘い」でのブコメレス - 流し斬りが完全に入ったのに
http://d.hatena.ne.jp/str017/20090610/p2

ここで書いた結論が、とうとう今回でました。唯の台詞から考えるに、つまりは「今を生きろ、今を楽しめ」ってことなのでしょう。確かにこれは今までにも結構言われていたことなのでしょうが、このライブシーンが無ければ結実しなかったであろうかと思われます。
 
まずは脈動感、鮮明な映像から生きているような感覚を出す為に、表の意味ではライブシーンを、そして裏の意味では性的な暗喩を使うことによって、視聴者に興奮を与え、脈動感を出す手助けをしているのでしょう。そして次に唯の台詞である、この体育館が武道館だ、と。この台詞でけいおんのメッセージを確信致しました。体育館を武道館と見立てることにより、今、この瞬間を生きて、今この瞬間を楽しむ、まさにこのライブがその瞬間なのです。
 
全てに結実する、そんなライブで綺麗に締めくくり、けいおんスタンディングオベーションにて終わりを迎えたのです。そして来週はアンコール! さて、どんな「おまけ」を熱演してくれるのか、今から楽しみです。関東ではもう放送終了してるけど(汗

おまけ:すごいよ! 花田先生!

というかですね、個人的には花田氏の脚本回が当たり回ばっかりだったんですが。何でですかね? なんかよく分かんないけど、花田氏の回は分かり易く、そして楽しい感じがする。何でですかね?