バスカッシュ！ 第13話

本来はお話のメインだと思われるバスケは早々に終了して、それ以後はダンとルージュにスポットを当てて描かれていた。ルージュは真剣勝負をしたい為に薬物を投与しなかったが為に、体に異常をきたし敗北、そして月に帰ることになる。月に帰るシーンの前後で人々が町を破壊され途方にくれてたり、挙句バスカッシュで賭けを行っていたりと何やら暗い雰囲気に、そしてラストの月に帰るシーン。ここに今までの雰囲気に加え追いかけるダン、何も出来ない、手が届かないことに、より悲しさに誘われる。
　
どうも、佐藤英一氏が監督になってから、かなり雰囲気が変わった気がする。具体的に言うと、なんというか、最初の方ちらっと見た印象では会話すら成り立ってなく、なんかノリだけで話が動いている、しかしそれを逆手に利用するように、多用なカットを使った動的な作品だったように見えた。
　
しかし、監督が交代してからはモノローグを中心になっていて、今回でもメインのバスケを開始早々に終わらせて、ダンとルージュを中心としたドラマを形成させてたのは驚いた。伏線自体はだいぶ前からあったから、監督が交代するにもしないにも、この話自体は元々話の構成として存在していたのだろう。しかしここまで丁寧にお話を作って、モノローグを使うような演出はこれまでに無かったと思う。では本来はどうなっていたのか、それは誰にも分からない。
　
正直な話、監督が変わるだけでここまで雰囲気が変わるものかと驚いた。というか、ダンが話を回してる、誰だお前。そして、今までで一番好きな話かもしれない。