RD 潜脳調査室

第11話 純正率
才能とは、愛である
情念や熱意などは円周率の実用的な桁数である
小数点以下35桁以上を求めることである
どんなに技術的に凄い事が出来ても
才能=愛が無いとそれ以上には進めない
音楽を愛する一之瀬にはそれがあって
音楽を愛さなかった久島にはそれがない
 
あのバイオリンの持ち主は愛がある一之瀬が持つべきだ
その事を直感で判断し、自身で答えを出したミナモ
ミナモが吹く笛の姿に昔の一之瀬の姿が映る
 
一之瀬の昔の姿が中性的だったのは、情念のメタファとして
(音楽に対して愛がない)久島と対の関係を出すと共に
昔の自身とミナモを重ね合わせることによって
ある部分似ている面を強化するという演出だろう、たぶん
また、音楽的な事々は女性的であるという面も強い
が、これはちょっとした偏見かもしれない……
 
考えるな、感じろ、とは良く言った物だと思う
 
次回予告なエピローグ
→砂浜で、亜麻色の髪と天色の目をした少女が、海に手を伸ばす