少年マンガイデオロギーが通用しない時

少年マンガイデオロギーとは
以下、細かい部分引用等で構成
ポジティヴな行動はポジティヴな結果をもたらすと信じたがる習性であり
飽くまでその法則が通じるのは日常レベルである

屁理屈を言ってる暇があったら、勇気を出して一歩踏み出せ。さすれば状況はよいほうに変わる。
 
改めて端的にいえば、これは少年マンガやアニメやライトノベルイデオロギーなのだ。
 
 
若い層を対象としているということは、もちろん、イデオロギーのレベルで彼らに合わせてチューニングされているわけで。
 
若い層、まだ「社会」に組み込まれていない――もしくはそれを自覚していない学生の生きる世界は狭い。インターネットはあって世界中とつながれるものの、やはり学校や家庭の中で、基本的に世界は完結してしまう。高校までなら、部活動以外の上級生や下級生もあまり縁のない存在かもしれない。成人してからではもはや想像もできないほどに、未成年の世界は狭い。
 
そんな狭い世界では、四の五の言わずに勇気を奮えば状況が変わるというのはある程度のリアリティ、説得力を持つ。
 
「勇気を出して一歩踏み出せば世界を変えられる」という少年マンガイデオロギー - らめぇ
http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20080316/1205683547

そして、その狭い世間での価値観(ローカルルール)を
世界レベルに持ち込んだのがいわゆるセカイ系
 
この辺りは、一般的な価値観を持ってる人ならば
判別は可能であり、少年マンガイデオロギー≒ローカルルールを
世界レベルに持ち込むのは無茶だといえる
(これは飽くまで現実での話で創作上の話じゃないです念のため)
 
問題は、日常と非日常の境界線を曖昧にする事により
人を騙してくる(あるいはこちらの方が大半だと思うが
曖昧にしてる本人がその事実に気づかない)人間がいる事である
例えば、一番上のエントリで引用させて貰った記事から
例えを引用すると

誰かがあなたに「実名でブログやってみなよ、え?リスクがある?アメリカと日本は違う?ねえ、どうしてそうやってできない理由ばっかり探すの?君さぁ、いろいろそれっぽい理屈をごちゃごちゃ言ってるけど要は勇気がないんでしょ?」と言うとする。そこでうろたえちゃう人が一番危ない。これは最終的にその人が実名でブログをする・しないにかかわらずだ。
  
できない理由ばっかり探しちゃって…(女の子のイラスト付きで) - chanbaraの断片 - 断片部
http://fragments.g.hatena.ne.jp/chanbara/20080410/1207824257

この場合「実名ブログ」という世界レベルの話を
「ごちゃごちゃ言ってるだけで勇気が無い」という
少年マンガイデオロギーを使って、世界レベルの話を
狭いローカルの話題と錯覚させてしまうのだ、恐ろしい
 
ここからちょっと乱暴な結論になるんですが
こんな訳の分からない理由はまかり通ってるのは
「日本人はNOと言えない」という面(あるいは同調圧力に弱い)
部分を強く持つからだと思います、強いムラ社会とも言う(かな?)
よってその反対である「NOの意見」である
「駄目」「無理」「嫌」という否定的な感情が強く嫌われる面が
「できない理由ばっかり探して」「要は、勇気がないんでしょ」
という面を強化するんじゃないでしょうか?
 
「む、無理です…!!」って言っても寛容
まずはそこからはじめてはいかがでしょうか?
 
と、お稲荷様はじまったのでこの辺で