ヨルムンガンド PERFECT ORDER #18 嘘の城 phase.2

結論から言うと今回は見てて凄い「日本的な話」だったと感じました。

しかも自分的には今回の話にかなりクリティカルな問題が含んでいたり、またヨルムンガンドという作品を語るにあたって外してはならない回でもあると思ったので、内容を吟味しながら単話エントリとして書かせて頂きました。しかしこんなにも凄い作品見られるとかワシャホンマ幸せもんやでぇ。


さて、まずは前提として今回の主役はトージョ、今回はある意味彼が「視聴者の代弁者」的な立場だったと私は感じました。劇中で彼がSR班に批判的な言葉を投げかけるときに、視聴者も同様に「どうしてだよ!?」と思っていたと推測できます。というかあれだけでSR班の行動原理がパッと理解できたらできたでそれは凄いけど、それは別の意味でヤヴァイんじゃ……とは思ってしまったり。

トージョもSR班の行動原理は到底理解できなったのですが、繰り返しになりますがそれは当然だと思います。理解は劇中で日野木が述べていましたが、つまり彼らは私たちと同じ日本人ながらも、また「亡霊」であって厳密にいえば我々とは違う存在だとも言えます。

また日野木はそれに加え、彼らも武器という存在によってその組織そのものを変異させてしまったと語っていました。だから彼らに死に場所を与えたのだと、何というか日野木のその考え方は実に日本的な考え方だなと思います。


また今回の銃撃戦は、目の前で繰り広げられても他の国でのように人々は逃げまとわず、日本では人々は逃げずその場で立ち尽くしたりしていました。それは日本では「昼間から人通りの割と多い場所で銃撃戦が起こる」というシチュエーションがほぼ絶対に存在せず、実際に銃撃戦が繰り広げられたとしても、何かのアトラクションとしか思わないでしょう。

つまりはヨルムンガンドにおける日本人は総じて武器の怖さを意識していない傾向が強く、前にも書きましたが「武器は、それを扱う人達を変貌させる怖さ」を持っています。またその隙から武器の影響してて、前期3話のチナツも同様に武器を扱うことで変貌していきました。以下過去に書いたエントリからの引用です。

一方ヨルムンガンドでは、武器自体に「人を変貌させる怖さ」を付加しており、普通の女子高生だったチナツを殺戮を繰り返すような殺し屋に豹変させるような「人を変貌させる怖さ」を描いています。もしチナツがあそこで発砲せずに死んだふりでもし続けていれば、彼女の運命も変わったのかも知れません。


ヨルムンガンドにおける武器の怖さと、ヨナから見たココという存在の不思議 - TinyRain
http://d.hatena.ne.jp/str017/20120707/p1

上にも書いた通り、何故今回が「ヨルムンガンドという作品を語るにあたって外してはならない回」なのかと申しますと、ヨルムンガンドにおいて度々描かれる武器の怖さに向き合った回でもあり、またその結果がヨナが武器を憎む原因を生んだり、チナツの死であり、#12 滅びの丘でカレン・ロウがバルメを撃った後に「こんな世界、もう嫌だ!」と慟哭した台詞にも現れています。

そんな殺戮と憎しみが続く世界に、ココは何を思いどう動くのか? 今後の展開が楽しみです!!