PandoraHearts 第8話〜第10話

今回はずっとオズのトラウマに迫る話で、最近の作品にしては展開がえらいゆっくりだと思う。「一気見」に近い状態でこういうじっくり話を追う形式は好きだけど、原作知らないとドラクラばりに危機感抱くような気がする、まあ、そうじゃないのは事前に収集した情報で自明ではあるけど。


第8話での、ギルがアリスに向けて言った「チェインには分かるはずの無いことだ」の問いかけと、それに対するアリスの返答は第10話で言った「チェインにだって、分かるんだ」に繋がる。何と昨今の作品では珍しく、2話またぎの伏線回収を行った。


この問いと答えにおいて、問題提起となってるのは「オズの孤独」であり、その問題をひとつひとつ紐解いていき、オズとアリス、孤独においての背景こそほぼ別だが、それ自体は共有しあえる。理解出来ないけど、共感はできる、きっとそういう事だろう。


さて、どうもパンドラハーツにおいて、物語を形成する要素のひとつに「失った何かを取り戻す物語」というのがあると思う。彼らが何を失ったかをかなり徹底して探し、描き、照らし出す。まるで迷宮のような作品ではあるが、回を進めるごとに確実に光明は見えてきているような気がする。(一方、その光明に照らし出されるように、絶望の影もまた深くなるのだけど……)