劇場版機動戦士ガンダム00 は「ガンダムじゃない」

劇場版00を見た後、ちょっと気になったことがあったので書いておく。


よく劇場版00を観た感想の中で、度々ガノタからも非ガノタからも、「これはガンダムじゃない」と語られることがある。実のところ、私も劇場版00を見て「これはガンダムじゃない」と(良い意味で)思った。この「ガンダムじゃない」という感覚に関して、ネタバレにならない程度に触れてみようと思う。



これは少々おかしな指摘だが、劇場版00を何故「ガンダム」として観て、何故「ガンダム」として感想を語る人が多いのだろうか? 確かに作品タイトルに「機動戦士ガンダム」と付いており、尚かつ劇中にも「ガンダム」が出てくる事から、この作品は紛うことなくガンダムだと言える。


だが、それは真でもあり偽でもあると私は思う。というか、ガンダムであったとしてもガンダムと異なる部分があまりにも多すぎる。まあ、その結果が「これはガンダムじゃない」なのだが、このことに関してもう少し掘り下げてみたい。



まず、劇場版00を見た感じだと、基本的に劇場版00のストーリーは、典型的なガンダムモノのストーリー展開に習って作られていない。むしろどちらかと言えば、ハリウッド的なプロットを用いたストーリーに近似しているといえる。すると、一見「ガンダム」という看板を置いているように見えるが、その前に「大衆作品」という前置きがあるのではないか? と思ったわけだ。


またこれは仮説だが、劇場版00はガンダム云々以前に、飽くまで「大衆作品の映画」を前提として作り、ある種の分かりやすさを優先した結果、「これはガンダムじゃない」作品になったのではないか? と推測できる。


また、ストーリーに関しての詳しい説明は、他ブログさんのURLを載せておきますので、若干のネタバレにはなりますが、そちらをご覧下さい。

劇場版ガンダム00についてのヒント - tyokorataの日記
http://d.hatena.ne.jp/tyokorata/20100921/p1


次に、ガンダムの扱いについても、従来の使い方とは全く異なる。劇中の切り札になる「ダブルオークアンタ」の扱いが、その決定的な差異の象徴だとも言える。この「決定的な差異」については、超ネタバレになるので、今回のネタバレ無しの前置きでは書けません(汗


このように、沢山の要素が絡み合った結果、劇場版00は、他ガンダム作品に比べても「ガンダム等のガジェット的要素」だけが引き継がれており、それ以外の要素は全く異なる要素で構成されている。つまり、この「劇場版機動戦士ガンダム00」は、正真正銘本当に「これはガンダムじゃない」のだと言える。



まあ、批判の中には「別にこれガンダムでやんなくてもいいじゃん」みたいな批判もあったけど、個人的にはこれはむしろよくガンダムで出来たなぁというか、よくプロデューサー陣からおっけーサインが出たなーとか(もちろん良い意味で)思わなくも無いですね、むしろ最大の謎はここな訳で、うん……