ネペンテス

ネペンテス(MF文庫ダ・ヴィンチ)

キャラクターも描写や文体の上手さも、だいたいの要素がある程度良い水準なのに、肝心のお話がそんなに面白くない。というか、構成と1話完結のお話が、元々の魅力を相殺してしまっている感じがする……といっても、この辺は単純に私の好みなので、1話完結の物語として読めば、それはそれで面白いのかもしれない。と言っても「減色症」で主人公が片目の色感を失った、と思ったら次の話では前のエピソードが無かったかのような状態になっていたのはどうかと思った、というか戸惑った。
　
しかし、その描写は私の好みにかなりジャストな感じがして、この作者さんの他の作品を読んでみたくなった。ダークな作品は基本嫌いじゃないって理由もあるけど。
　
と、調べてみたらこの作者さん、Kanonのノベライズ書いてた人なのね。Kanonのノベライズといえば全年齢版として加筆修正されて再販されるという噂があったり。