ヒロイック・エイジの緩やかな物語・後編

「負の感情」の最も激しい感情
前回で触れた「負の感情」のその最も激しい感情
それは、相手を憎む事、即ち「憎しみ」の感情の事です
 

憎しみは物語内でどう描かれているか

銀の種族からすると、憎しみ以前に感情に乏しいので
ある種憎しみとは無縁の存在とも言えます
彼らも人類を「憎いから殺す」のではなく「宇宙にとって危険だから消す」
と物語内で語られている通りです
次に人類にとっては、劇中で「青銅の種族を滅ぼさんと進軍する事が
出来るのは、青銅の種族に人類が滅ぼされかけた際の憎しみが、皆を動かしている」
とはっきりと言及されています
そして物語の戦闘的な意味合いで重要である、ノドスを宿す4人組も
「自分の種族の繁栄」の為に戦っています(一部例外あり)
また、主人公であるエイジはというと、まるで憎しみとは無縁の存在です
ただ、ノドスはノドス同士の戦いが発展すると「狂乱」が起こるので
憎しみとは全く無縁、という事では無いようです
 
「狂乱」とは
定義でいえば、ノドス同士の戦いが発展しすぎたら
(主に2人以上でベルクロスに戦いを挑むと、狂乱が発生する確率が高い)
ノドスの内誰かが狂乱し、星々をすべて破壊し尽すというノドスの特性です
本編内では、現在の所ベルクロスが狂乱して他のノドスを圧倒する
というシーンがありました
 
「狂乱」を沈めたディアネイラ
上記で述べたベルクロスの「狂乱」を沈めた方法は簡潔で、ただ心から謝っただけです
また、ディアネイラがエイジ(ベルクロス)を説得する際に
こんなにも怒りに満ち溢れて、と狂乱化したベルクロスのその様子を例えていました
ただ、現在の時点では「狂乱」のすべてが明かされている訳ではないので
確証はありませんが…
狂乱の発生する条件と、戦いが深刻化する、という部分から転化して
「憎しみを深めすぎると、最後には自分をも滅ぼす」というのが
作品内でのメッセージなのかもしれません
 
最終的な結論は、物語が終了してからとなる可能性が高いですが
「緩やかである事」≒「何事も許す精神」という方向性が見えてきた
というのが現時点での「緩やかな物語」の構造だと私は思います