ヒロイック・エイジの緩やかな物語・前編

物語の概要
人類の英雄エイジと、人類の導き手ディアネイラの2人が中心となり
銀河を舞台に繰り広げられる銀の種族と人類との戦いであり
また、銀の種族のノドスとベルクロスの戦いが繰り広げられる
壮大かつ、複雑な物語というのが大体の概要です
 
の、筈なのですがこの作品を見てて思うことが一つ
話の規模がすごく大きい割に、人物関係が凄く狭い部分で纏まっていて
言うほど話のスケールが大きい感じがあまりしません
 
その理由として考えられるのが
当作品の宇宙内には様々な民族、種族、星々が存在するにも関わらず
大まかに銀の種族vs人類という対立構造に帰結し、更にはその要素を細分化しても
ノドスvsノドス、兄vs妹(表立っての戦いは無いが、最終的にこうなると予想)
に帰結してしまい、それによってスケール全体が見えにくくなっています
 
もう一つは、銀の種族自体も人間とあまり差異は無く
感情に乏しいのと、銀色の体という以外はほとんど人間と変りません
(あるいは、それ以上に違う部分もあるのでしょうが、特徴として出にくい)
 
以上、2点の事を踏まえると
スケールの大きな物語なのに、人物関係は小さく纏まっている
この部分から、あまりスケールの大きい感じがしないのでしょう
もちろん、この人物関係だからこそ風呂敷が畳まるという安心感もあるのですが
 
「負の感情」
ただ、ここで若干の違和感を感じたのも事実でその内容とは
どうして(人物関係は狭かろうが)両者とも背負うモノは大きかったり
殺し合いが行われているのに、何故「負の感情」を主体とした物語にならないのか?
確かに銀の種族は感情に乏しいので「負の感情」も乏しいのですが
人類側は「負の感情」を強く持っていなければならないはず
なのに、この作品に登場する人類はエイジやアルゴノート乗組員は兎も角として
果てはメレアグロスですら若干の「負の感情」は持っていますが
「相手を殺したいほど憎いほどの負の感情」は持っていません
(むしろメレアグロスは名誉欲の為に戦っている節があります
 基本的にこの感情は自分や味方に向けられるものであり
 敵には向けられない感情)
 
少し長くなったので、後日後半部分を書きたいと思いますが
ここで無理にでもまとめると、その話の壮大さに比べ
人物関係が小さく纏まっていて「負の感情」があまり感じられない部分から
ヒロイック・エイジが緩やかな物語に感じるのでは無いでしょうか?
 
次回は「負の感情」を前面押し出さない物語の構造と
物語内で「負の感情」が出た際にいかに解決したかについて
更には、ついでですが他作品「負の感情」の出し方の比較も
行いたいと思いますので、もし宜しければお付き合い下さい